この記事では、2026年7月28日にリリースされると予告されていたLabVIEW2026Q3で新機能が実装されると言われているNigelについて、いよいよ数日(※)に迫っている状況の中、これまでのNigelで何ができるかをもう一度復習がてら紹介しています。
コード生成についてはもちろん今後このブログでも取り上げていきますが、それ以外の、既にある(LabVIEW 2026Q1の時点までで使える)機能についても、Nigelが出たてのころと比べるとパワーアップしていることがいくつかあるので、この機会に紹介していこうと思います。
(※)このブログの公開日は2026年7月27日です。
そもそもNigelって何?
まずそもそもNigelって何なのか、という話ですが、ざっくり、LabVIEWから呼び出すことができるAI機能のことです。
もはやAIといっても様々な形態があり、単にチャット形式で質問に答えてくれるものもあれば、何か特定のPC操作自体をやってくれる、というものもあります。
Nigelについては、少なくともLabVIEW 2026Q1の時点では、チャット形式で質問に答えてくれるという機能が目立ち、一部に関してはチャットの枠を飛び越えた操作もできますが限定的です。
ただ、LabVIEW 2026Q3ではコード生成ができることが予告され、さらにその後にはいわゆる「AIエージェント」としてLabVIEWの枠を飛び越えた、テストアプリケーション、システム構築の手助けを行ってくれるAIになるようです(2026年NI Connectでの発表より)。
この次の章の内容と被っている部分もありますが、基本的な情報はこちらにまとめています。
Nigelができること
では、LabVIEW 2026Q1までの時点でNigelが対応していることについてまとめてみます。
既にほとんどの機能は過去にいくつかの記事で取り上げたことがありますが、過去のものと比べて内容が進化しているものについては改めて、この記事を書いている時点での最新の返答例を元に紹介していきます。
LabVIEWについての質問
まずは基本的な、LabVIEWについての質問に答えてくれる機能です。
LabVIEWから呼び出せるAIチャットなんだからそれはできるだろう、という感じですが、特に初学者の方が「何度も人に聞くのは恥ずかしいな」とか「どこから調べたらいいかわからない」みたいな、学習の手助けになるような機能となります。

これは、チームにLabVIEWを普及させるのにも役立つと思います。
新人の人が入ってきたときに誰がLabVIEW教えるの?といった状況で、独学、自習を行う際に使えるため、いわゆるトレーニングのためにリソースを割く、といった手間が省けます。
アプリケーションについての質問
NI公式に謳われていることとして、Nigelはテストアプリケーションに特化した知識を蓄えられているとのことで、「○○を測るにはどういうセンサーを使えばいいのか?」「これを測る時に何を気を付ければいいのか?」といったことを聞くことができます。
案外こういう情報は探しにくかったりするので、Nigelの返事を100%そのまま採用するというほどではなくても、考えの土台にするには役立ちます。

あとは、アプリケーションについての事例についても答えてくれることがあります。
個人的に良いかなと思うのは、データ保存の際のプロパティの決め方です。
私のブログでも何度か記事にしていますが、LabVIEWはデータ保存の際にTDMSファイルを使用することを推奨していて、いくつかあるその理由の一つが、データの管理に役立つ、という点にあります。
データの管理、とは、必要なデータを探しやすくすることにつながり、そのためには、「どれが必要なデータか」を検索しやすくする必要があります。
では何で検索するかというと、当然検索条件があるわけですが、そういった検索条件を持たせるために、TDMSファイルでは、ファイル単位あるいはグループ、チャンネル単位でプロパティを持たせることができます。
これらプロパティ(プロパティ項目とその項目に対する値のペア)をキーワードに検索することで、自分が求めるデータを探しやすくするわけですが、ではどのようなプロパティを用意するべきかというのはそれはそれで悩みどころになります。
そこを、Nigelのアドバイスをもらおうというわけで、これはこれで100%Nigelに従って実装する必要はないものの、参考になる情報は出してくれます。

ハードウェアの検出
NigelはLabVIEWから呼び出すことができますが、LabVIEWから見えるハードウェアの状態をNigelが識別することもできます。
大雑把に、「このPCから使用できるハードウェアを教えて」といった形でNigelに聞くと、そのPCにつなげているDAQハードウェアなどを一覧にまとめてくれます。
あるいは、各ハードウェアの現在温度やキャリブレーションの情報も出してくれます(基本的にはNI MAXの情報を見ているものと思います)。

既に各ハードウェアがどういったものかについて知っているという方にとってはあまり恩恵がない機能かもしれませんが、例えばそれぞれのハードウェアに対するピン情報やセンサーの配線の仕方など、「ググれば調べられるけれどメンドクサイ」ような内容もその場でササっと調べられるのは重宝したりします。
サンプル、関数の検索
これまで紹介した機能はNigelのいわゆるチャットウィンドウ上の操作に関わる機能でしたが、Nigelの出番はそのチャットウィンドウ以外にもあり、VI上からいくつか呼び出せる機能があります。
そのうちの一つが検索バーにあるNigelで、ここに、何かやりたいことを書いて検索します。
これまでの(Nigelがなかった時の)検索機能だと、関数を探すにしても、ほぼその関数名と一致した名前で検索しないと引っかからなかったようなものが、いわゆる自然言語による検索ができて関数が探しやすくなったことに加え、特定の処理を行わせるためのプログラムのサンプルをサンプルファインダにあるものの中から探す、ということもやりやすくなりました。

プロジェクト、プログラムの説明
個人的に一番よくできている、というか「LabVIEWで使えるAI機能らしい」と思うのがこのプロジェクト、プログラムの説明をさせる機能です。
Nigelにプロジェクトファイルあるいはプログラム(vi)を与えて、その内容を説明させることができます。
例えば、昔いた人が作ったプログラムを修正する必要があるけれどドキュメントがない、とか、顧客に対して開発したプログラムの内容を説明する文書を作る必要がある、とか、自分が作成したプログラムの備忘録にする、といった場面で、何かしら資料を残しておく必要があるという場面があります。
そんなときに、一つ一つプログラムを見て手で書いて、は時間も労力もかかります。
この部分をAIの力を使って効率よく進めていける、というわけです。
あとは、与えたVI自体についての質問にも答えてくれます。
特定のエラーが発生した場合のトラブルシュートの考え方など、毎回「当たる」とは限らないと思いますが、参考になると思います。
なお、この機能については明確に使用回数の制限があります。
バージョン、というか時期によって過去に変動があったため、今後も同じかは正確にはヘルプを参照する必要がありますが、LabVIEW 2026Q1の時点では1日40回です。
こちらの機能については、LabVIEW 2026Q3のバージョンの新機能であるコード生成と親和性が高いと思われるので、後日改めて記事を出そうと思います。
コード補完
あれ、コード生成できないんじゃなかったの?と思われる方いるかもしれませんが、これはコードを最初から作る機能ではなく、ある程度作ってあるコードに対して残りの部分(途中部分)を補完してくれる機能です。
こちらは過去に以下の記事で紹介しています。
が、この機能は少しギャンブル的な要素があります。
一応、VI名だったりフリーラベルだったりで、「自分がどういうプログラムを作ろうとしているか」を書いておくことでNigelがその文脈に沿ってコードを補完してくるという機能にはなっていますが、思い通りにならないことも割とあります。
LabVIEWにある程度慣れている人は、自分で書いた方が早い、ということもあると思いますし、LabVIEWに慣れていない方は、このコード補完機能で補完された部分が正しそうなのかの判断がつかずその結果余分に時間がかかってしまう、という可能性もあります。
この機能については、コード生成ができるようになってからはさらに出番が減るような気がしますが、現時点では1日50回までの制限があります。
本記事では、LabVIEW 2026Q1の時点でNigelでできることをまとめてみました。
もうすぐにLabVIEW 2026Q3が出てそこでコード生成ができるという点にフォーカスしがちですが、それ以外の機能でも便利に使えるものはあるので、コード生成含めこれからのNigelに期待したいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。



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