この記事では、LabVIEWがそもそも何をするためのものなのかといったことを始めとして、私がLabVIEWの利点だと思う点をざっくり紹介して、皆さんに興味を持ってもらえることを目指しています。
既にLabVIEWを知っているという方より、LabVIEWを全く聞いたことがない方、あるいは少しは聞いたことがあるけれど実際の様子を見たことがないという方に向けて「LabVIEWってこんなもの」を紹介する内容になっています。
LabVIEWってなに?
LabVIEWはソフトウェアです。ただ、馴染みのない方にとっては、何をするためのソフトウェアなのかイメージもつかないと思います。ずばり、プログラミングを行うためのソフトウェアです。LabVIEW自体がプログラミング言語、と言うこともあります。
プログラミング、と聞くと
- え、あの文字がたくさん並んだものでしょ?
- Cとか聞いたことあるけれど・・・難しいものだよね?
- 私に関係ないなぁ
というイメージを持たれる方が多いと思います。
でも、最近では小学生でもプログラミングが必修になると聞きますし、もう既に大人になった方々でも研究や仕事の都合でプログラミングを学ばないといけないといった状況になること、あると思います。今は関係なくても、子供に聞かれたとき、仕事で必要になったとき、何も知らないのと少しでも知っているのとでは大違いですよね。
プログラミングをすることで、人間の代わりにパソコンなどにいろいろな作業を自動的にやってもらうように指示するための命令を書いていきます。人間がやると面倒くさかったり、時間がかかったり、失敗してしまうようなことも、文句も言わずやってくれるようになります。
どんなプログラミング言語でも最終的に使えるようになればなんでもいいと思うのですが、LabVIEWはプログラミングが苦手な方でも扱えるように他の言語とは異なる大きな特徴を持っているので、プログラミング初心者の方にも扱いやすい言語と言えます。
ここでは、LabVIEWを学ぶ、導入するべき理由を紹介していきます!
LabVIEWを学ぶべき4つの理由
LabVIEWを学ぶ理由はたくさんあると思います。その中でも下記の4つが際立っていると思います。
- プログラミング初心者や苦手な人でも扱いやすい
- 他言語を知っている人にもメリットがある
- 画像解析、FPGAのコーディングにも応用可能
- いろいろな業界、分野で使われている
では順にこれらの理由を説明していきますね。
プログラミング初心者や苦手な人でも扱いやすい
LabVIEWは、プログラミング初心者の方でもプログラムを作りやすくなっています。そもそもLabVIEWが作られたきっかけには、「プログラムを使って何か別の目的を達成するのが本来の仕事なのに、プログラムを作ること自体に時間がかかってはもったいない」といった思いがあったそうです。プログラムを作ることが専門ではない人にも扱いやすいプログラミング体験を。こんな思いで作られた言語、それがLabVIEWです。
そんなことを言われてもどう作りやすいんだ?と思った方。LabVIEWはグラフィカルプログラミング言語と呼ばれます。グラフィカル、つまり図形式でプログラムを書きます。
恐らく多くの方がプログラムと聞いて思い浮かべるであろう文字の羅列ではなく、見た目にわかりやすいアイコンをつなぎ合わせてプログラムを作ることができます。
CやJavaなど、何かしらプログラミング言語をやったことはあるけれど苦手だな、という方。他の言語はたいていテキストを羅列していくテキスト言語ですが、各アルゴリズムのイメージがつかみづらく挫折してしまってないでしょうか?
繰り返しになりますが、LabVIEWはグラフィカルにプログラムを構築します。文字の羅列ではイメージができなくても、アイコンであればパッと見て何をしているかが圧倒的にわかりやすくなり、イメージの付きにくさで苦手意識を持っていたとしても払拭できます。
プログラミング言語をLabVIEW以外も全く触ったことがないよ、という方もいると思います。LabVIEWでは他のプログラミング言語でできるたいていのことができます。作り方は違えど、プログラムを構築する基礎のアルゴリズムは他言語と共通しているため、LabVIEWを習ってから他の言語に挑戦する場合でも応用できる思考方法が身に着きます。
なので、将来的には別のプログラミング言語をやるにしても、そもそもプログラミングとは何か、とか、興味がある、という方がプログラミングに触れる最初の一歩としても最適だと思います。
他言語を知っている人にもメリットがある
「私は他言語を知っているので習う必要ないよ」、と思っている方もいると思います。そんな方にもLabVIEWを薦められる訳があります。例えば、テキスト系の言語で
- 並列処理の実装が難しい
- ハードウェアとの接続が複雑で大変
- ユーザーインタフェースを作るのも一苦労
といった経験はないでしょうか?
LabVIEWでは驚くほど簡単に並列処理が実装できます。特に意識して書かなくても並列処理を実現できる手軽さで、他の言語ではコーディングが難しい処理に時間をとられることも少なくなるかもしれません。
LabVIEWは、計測、制御等のアプリケーションに向いたプログラミング言語であり、ハードウェアへのアクセスも手軽に構成できます。
しかも、LabVIEWを開発しているNI社が出しているハードウェアだけでなく、多くのサードパーティーの計測器も動かせるような関数セットが用意されています。サードパーティーがLabVIEWのために用意したこれら関数セットを使用すれば、様々な計測器ごとのコマンドを覚えなくてもそれらすべてをLabVIEWで制御できるようになります。
また、グラフィカル言語の特性を活かし、プログラムのアルゴリズムを作成する前にユーザーインタフェースを用意することができます。あらかじめほしい機能をユーザーインタフェース側でイメージしてからアルゴリズム部分を書いていけるので、ユーザーインタフェースに苦労することがありません。
他言語で自作した解析プログラムやIPがあるから言語を変えるのは非効率だという方でも、LabVIEWを検討する余地は十分あると思います。LabVIEWでは他言語で作成されたアルゴリズムやIPをDLLの形で呼び出して使用することができますし、PythonやMATLABコードを呼び出したり実行することもできます。
そのため、他言語での実装が面倒なハードウェアとの接続部分やユーザーインタフェースの部分はLabVIEWで作り、解析処理等については他言語で用意したプログラムを使用する、といったプログラミング言語をまたいだハイブリッド型のプログラムもできてしまいます。
画像解析、FPGAのコーディングにも応用可能
LabVIEWのソフトウェアには追加のアドオンがあり、デフォルトの状態から機能を拡張することができます。
とはいえ、専門的な知識がないとプログラムが書けないか、というとそうではありません。例えばアドオンを使用することで画像解析やFPGAのコーディングまでできてしまいます。
画像解析は、カメラの操作から撮像画像への二値化やパターン検出、粒子の解析をはじめとしたいわゆるマシンビジョンと呼ばれる多彩な工業用処理プログラムが作れます。また、LabVIEWによるプログラミングすら必要としない形式でこれら処理を実装したり、これと他の機能を組み合わせるためにLabVIEWのプログラムに組み込めたりできます。
また、FPGA上の論理回路自体をプログラムすることでWindows等のPCの処理ではなしえないナノ秒単位の精度で処理を実行できます。通常のWindows PC上で実行させるプログラムと同じプログラミング感覚でFPGA用のコードを書くことができるため、通常FPGAのコーディングに必要なVHDLやべリログ等の知識を新たに習得しなくてもシステムを構築することができます。
いろいろな業界、分野で使われている
こんなLabVIEWがどういった場面で使われているか?私が学生の時には大学の研究室で使われているのを見ました。もちろん、そういった研究機関で使用される以外にも、NI社のHPにある事例紹介、およびネットの記事をみると、自動車産業、機械工場、ロボット、半導体産業、研究機関、航空、宇宙と分野を問わず使用されています。最近ではあのSpace Xなどでも採用されているなど、海外では日本よりも認知されています。
つまり、プログラミングが苦手、あるいは初心者でも扱える言語であるにもかかわらず、社会の様々な分野で広く利用されるような高度なプログラムの構築も可能な言語、それがLabVIEWなんです。
なので、頑張って身に着けたことも決して無駄になることなく活かせるようなチャンスは十分あると思います。
この記事のまとめ
上記の内容を総じていえば、LabVIEWは
テキスト言語よりも敷居が低くくて初心者でも扱いやすく、ハードウェアの制御が楽に行えて、他言語で難しい処理も簡単に実装できるような、様々な分野で使用されているプログラミング言語
と言えます。
冒頭でもお話ししましたが、最近では小学校でもプログラミング授業が必須となっており、プログラミングの重要性はますます高まってきています。プログラミングは国語算数理科社会などと同じくらい「当たり前」なものになる日も遠くないかもしれません。
そんな時代に取り残されないようにするにはどうすればいいか。
別にLabVIEWでなくたって構わないと思います。でも、敷居が低くて慣れるのに時間がかからないのに本格的なプログラムも作れるLabVIEWを通して、プログラミングから目を背けてきた方も、これから頑張ろうという方も、プログラミングの楽しさに気づければ、これからの時代についていくモチベーションにもなるんじゃないかと思います。
以上、LabVIEWを学ぶべき理由を4つ紹介してきました。具体的に学んでいく過程で気軽に読んでいただけるようなコンテンツを用意していく予定なので他の記事も読んでいただけると嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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